手根管症候群とは?
親指、人差し指、中指、薬指の親指側の3本半にしびれや痛みが出る病気です。
薬指は親指側半分がしびれるが小指側半分はしびれないという特徴的なしびれ方をしますので、診断にも重要です。
症状
手根管とは手首にある骨と靭帯で囲まれたトンネルのようなものです。
このトンネルの中を正中神経(せいちゅうしんけい)という神経が通っているのですが、これが様々な原因から圧迫されることで、しびれや痛み、手の使いにくさが現れます。
明け方にしびれや痛みが強くなることが多く、手を振ったり、指を曲げ伸ばしすることで少し楽になります。
症状が進行すると、親指のつけねの筋肉がやせてきて、ものをつまむ動作がしにくくなります。
服のボタンをかけたり、ペットボトルのふたを開けたりがやりにくくなります。
原因
手根管症候群の原因については明らかになっていません。
ただ、糖尿病や長期間の人工透析など原因となる病気はあります。
また、妊娠・出産の時期や更年期の女性に多いことから、ホルモンバランスの変化も原因の一つではないかとされています。
その他、手首を酷使するような仕事をしている方も発症することから、職業因子も考えられます。
最近ではスマホやパソコンの長時間使用も関係しているといわれ、注意が必要です。
ファレンテストというテストでセルフチェックできます
- 体の正面で両手の甲を合わせる
- 1分間そのまま放置
しびれが出てくる、もともとのしびれが強くなった方は手根管症候群の恐れがありますので、一度整形外科を受診してみましょう。
検査
手根管症候群の検査としては、エコー検査、神経伝導検査(微弱電流を流して神経の伝達スピードを調べる検査)などを実施します。
エコー検査は当院で実施できます。
治療
手根管症候群の治療はその症状の程度で選択していきます。
保存治療
程度が軽い場合には、まずは動かさずに安静にしましょう。
スプリントという装具を使用し、手首を固定することやビタミンB12の飲み薬も有効です。
症状がやや強い場合には、ステロイド注射を使用して炎症を抑えてあげます。
注射を繰り返しても症状が改善しない場合には、手術を行う必要があります。
手術療法
しびれや疼痛が強い方は、病院に紹介して手術を受けていただくことも出来ます。
手術では神経を圧迫している横手根靭帯を切開して解放してあげます。
ものをつまむ動作がうまくできない方は、手のひらから腱を移行して、萎縮してしまった筋肉の代わりをさせる手術を行うこともあります。
専門スタッフによるリハビリテーションを実施しています
症状改善のためのストレッチや手術後の回復など、当院では専門のリハビリテーションスタッフからアドバイスもさせていただきます。
診断から治療、その後のリハビリまで患者さんの症状に合わせて対応しておりますので、ご相談下さい。
もりのみや整形外科では、整形外科専門医・脊椎脊髄外科専門医である院長による診療と、理学療法士(PT)によるリハビリテーションを実施しております。
ちょっとした身体の不調でもお気軽にご相談ください。
スタッフ一同、チームで患者様の健康をサポートいたします。